IE9ピン留め
少し、休眠します
更新が滞っていますが、
私は以前と変わりなく
毎月10冊ペースで本を読んでいます。

でも、ちょっと、読了本をBlogにメモする気力が湧かなくて。

なので、「時々、読書感想文。」は、少しの間、休眠します。

読了本をメモするぞ!と意欲がわいたら
また、書きます。

では、しばしの休眠時間。

・・・本家サイトである
自称☆芝居道楽委員会
ゆるゆる更新していますので、
ご興味があればお付き合い下さい。

菊花
# by kikuhana | 2010-04-06 20:05
松井今朝子「円朝の女」 文藝春秋
『芝浜』、『文七元結』、『牡丹燈籠』、『四谷怪談』など
歌舞伎等の舞台にも取り上げられるている名作落語の作者であり、
現在にも繋がる三遊亭一派の祖である落語家・三遊亭円朝。
江戸末期から明治に活躍したその円朝と、
彼に関わった女性達を描いた小説。

時代を生き生きと描いていて、
さもありなん!とこちらを頷かせる説得力がある。
そして、登場する女性がそれぞれ個性的で
異なるかたちで円朝にからんでくるのも面白い。
その中では、第一話『惜身の女』に登場する
田中某という殿様の娘が、実に芯があって良いねぇ。
「成り上がりはともかく、落ちぶれるには資格てえもんが要る。なにせ生まれ育ちがよくねぇと、落ちぶれることができませんからねぇ」p.129

採点:★★★★☆
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# by kikuhana | 2010-03-22 19:03 | 松井今朝子
川端裕人「夏のロケット」 文春文庫
先日読んだ『放課後のロケッティア』に引き続き、
ロケットに夢中な連中の物語。
今回は大人になっても、ロケッティア(ロケット狂)。
というか、社会人だからこその経済力、人脈、
技術力等をフル活用して
火星行きロケットを作る、という話。

確かに、社会人だからこそ可能なことってのはあるんだが、
それらを可能にする登場人物達の設定が
あまりにも出来すぎているのが逆に気になる。
もう少しアングラな方がリアリティがあるんだけどな。
「どんなことがあっても、ミサイルには手を出すなってね。ロケット・エンジニアにとってそれはあまりに簡単に手に入る禁断の果実だ」p.253

そんな中で興味を引くのは、ロケットとミサイルの違い。
このロケッティア達は、
『コペンハーゲン』に登場する物理学者達のような悩みは持たなかった。
けれど、彼らの技術は、いとも簡単にミサイルに流用される。
と、いうか、ロケットを兵器的に使用したのがミサイルなんだからね。
せっかく主人公達がテロリストの共犯者と目される、
という展開にしたのならば、
ロケットがミサイルとして使用されうることへの
葛藤も、単に歴史的なコトを追うだけではなくて、
彼ら自身の葛藤として描いて欲しかった。

採点:★★★☆☆
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# by kikuhana | 2010-03-13 11:05 | か行の国内作家
スティーヴン・キング/浅倉久志(訳)「ゴールデンボーイ」 新潮文庫
『恐怖の四季 春夏編』である本書には
『刑務所のリタ・ヘイワース』と
『ゴールデンボーイ』が収録されている。
どちらも全く違う味わいで、
勿論『秋冬編』の『スタンド・バイ・ミー』や
『マンハッタン奇譚クラブ』とも雰囲気が異なる。

表題作の『ゴールデンボーイ』だが、
最近ドイツ現代史の本を読みあさっている私からすると、
元SSでパティン強制収容所の所員だったドゥサンダーが、
ちょっとステレオタイプに見えるのが残念。
とはいえ、そのドゥサンダーの物語に惹かれ、
(というか強制収容所のイカレ具合に、ゴキゲンになり)
道を誤ってしまうトッド少年の変化は
とても興味深い。
「あのドイツ人どもがやったことには、われわれに恐ろしい魅惑をかきたてるなにかがあるのかもしれない——想像力の地下墓地(カタコンベ)を開く何かが。ひよっとすると、われわれの戦慄や恐怖の一部は、ある一組の適当な——いや、不適当な——状況がそろえば、われわれ自身も進んでそうした施設を作り、そこに人員を置くだろうという、ひそかな認識からきているのかもしれない。(中略)その地下墓地に住んでいるものが喜んで這い出してくるのを、われわれは知っているのかもしれない。それがどんな姿をしていると思う?(中略)その大部分は、ありふれた会計係のような姿をしているんじゃないか、と私は思う」p.486-487

これに対して『刑務所のリタ・ヘイワース』は、
どこかほのぼのとして、どこか心温まる感じがする。
メキシコのシワタネホ、か。行ってみたいな。

採点:★★★★☆
# by kikuhana | 2010-03-07 10:15 | カ行の海外作家
マイケル・フレイン/小田島恒志「コペンハーゲン」 劇書房
2007年に新国立劇場で上演された『コペンハーゲン』を見て、
私は衝撃を受けた。
物理用語が飛び交っているのに、
そこで交わされている会話は
人間のあり方を問うているから。
「20世紀を震撼させた原子爆弾製造競争。ドイツ人天才核物理学者ハイゼンベルクはなぜ、師であり敵国人であるボーア夫妻を訪ねたのか?」裏表紙

「いつか、この戯曲を読もう」と思っていた。
思いつつ忘れていたのだが、
ドイツの近現代史の本を読みあさって来、また
映画『誰がため』(ナチス占領下のデンマークのレジスタンスの物語)
を見て、再びこの戯曲にスポットライトが当たった。
何故なら、ハイゼンベルグの師であるボーアは、
半分ユダヤの血が流れるデンマーク人だから。
ハイゼンベルク「わたしはただ、先生にこう聞いただけです。一物理学者に、原子力エネルギーの実践的活用を研究する道徳上の権利はあるのか、と。そうでしたね?」p.55

戯曲を読んでいても、
舞台を観たときのあの衝撃が再び襲って来る。
人間の心理は、どこまで言語化できるのだろう?
人間の行動は、どこまでその動機を説明できるのだろう?
マルグレーテ「あれは、ハイゼンベルクがあなたとの友情に対して行った、最後にして最大の要求だった。自分で自分を理解できないときに理解してもらうこと。そして、あれは、あなたがハイゼンベルクに対してお返ししてあげた、最後にして最大の友情の証だった。彼を誤解したままにしておくこと。」p.135

採点:★★★★☆
# by kikuhana | 2010-03-05 19:36 | ハ行の海外作家
大樹連司「ほうかごのロケッティア」 ガガガ文庫
「青春と妄想をのせたロケットが今、宇宙へ『リフトアップ』する」
と、裏表紙に書かれているように、
学園カースト制度とロケット科学が混じり合った
勢いのある小説。

それにしても。
読めば読むほどわからないんだが、
「リア充」のリアル(現実)ってのは、
逆に言えば非リアルってのは、何を指していて、
どの一線を越えたら「リア」じゃなくなるんだ?
ま、ね。学生のリアルなんて
ことに高校生のリアルなんて所詮範囲が限られているうえに、
狭い世代の狭い世間の狭い学園では、
自分と他人を差別化することによってしか
自分の立ち位置を固められないから辛いよね。
辛い上に、バカバカしいんだよね。マジで。
「ルナチタニウムとかガンダリウムとかサクラダナイトとか、オレの聞いたことのない不思議な金属が出てくると思っていたので拍子抜けしたが、鋼(はがね)よりは軽く、熱にも強く、そして何よりメジャーな合金なので安いとステンレスはいいことばかりなのだ」p.128

ライトノベルのふりしてロケット製造のあれこれは
ちゃんと科学していたのは好印象。

あああ、『王立宇宙軍』見たいぞー。
採点:★★★☆☆
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# by kikuhana | 2010-02-25 22:32 | あ行の国内作家
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